住宅地、中古マンションともに引き続き相場が安定しています。野村不動産アーバンネットが調査した2011年4月時点のデータを基に、中古マンションと住宅地の最新価格動向を紹介しましょう。3カ月に一度、首都圏の「住宅地」と「中古マンション」の実勢価格を調査している「野村不動産アーバンネット実勢調査」の最新データが公表されました。2011年4月1日時点の結果を基に、最新の価格動向を紹介しましょう。なお、今回のデータは、東日本大震災の影響を考慮した評価ではありません。通常の取引が行われたケースを前提に調査している点をご了承ください。 首都圏における住宅地と中古マンションの価格変動率は、ともにプラスマイナス0.5%以内の状態が3期連続しています。プラス1%程度までを含めると8期連続、2年近くも横ばいが続いていることになります。中古マンションについては、前回、前々回とマイナス0.3%を付け、やや弱含みの感触も出ていました。しかし、今回はプラスに回復し、安定傾向が見られます。これほど長く横ばいが続くということは、需要と供給のバランスが取れているという状態を表しているといえるでしょう。売主にとっても買主にとっても「高すぎず安すぎず」、ちょうど良い適性価格で落ち着いているといっていいかもしれません。買主の購入能力に合った価格で売り出される物件が増え、買主が無理せずに購入できる状態になっているということです。 個別に見ても波風の立たない価格とはいえ、相場動向のデータを見るときには、平均値だけを見ていると判断を間違える可能性もあります。たとえば、Aというエリアでは、プラス10%の地点とマイナス10%の地点があるとしましょう。平均すると、プラスマイナス0です。一方、Bエリアでは、プラス0.2%とマイナス0.4%の地点があるとします。平均ではマイナス0.1%です。平均値だけで比べると、AエリアよりBエリアのほうが弱含みに見えます。しかし、個別地点の動きを考慮すると、Aエリアでは大幅な値上がりと値下がりという全く逆の動きをしている地点が含まれ、相場が落ち着いていません。むしろ、AエリアよりもBエリアのほうが安定していることがわかります。今回の調査ではどうでしょうか。中古マンションを例に考えてみます。平均値では横ばいに近い状態でも、横ばい、上昇、下落、それぞれの動きをした地点の割合の推移を見ると、微妙に変化している様子がわかります(図2)。 昨年の4月と7月は、横ばいが50%台で、上昇が30%程度ありました。同10月と今年の1月時点は、横ばいが60%台後半で、今度は下落が20%前後です。上昇か下落か、いずれかの割合がやや高くなっていました。これに対して、今回の調査では、上昇と下落がともに少なくなり、横ばいが70%を超えているのです。安定した状態が全体に広がっている様子がわかるでしょう。
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